Cleavage と Segmentation は、どちらも「分割」という意味を持ちます。
では、その違いはなんなのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
Weblio
Weblioで調べてみると、それぞれ以下のように掲載されていました。
Cleavage
1 a不可算名詞 裂けること,裂開,分割.
b可算名詞 〔政党などの〕分裂 〔between〕.
2 不可算名詞 [具体的には 可算名詞] (襟ぐりの深いドレスであらわになった)女性の乳房の間のくぼみ,乳房の谷間.
3【鉱物】
a不可算名詞 劈開(へきかい).
b可算名詞 劈開面.
4 不可算名詞 【生物】 (受精卵の)卵割.
Segmentation
1 不可算名詞 [具体的には 可算名詞] 分割,分裂.
2 不可算名詞 【生物】 (受精卵の)卵割,分割.
Cleavageは「分割」や「卵割」に加え、「身体的名称」を意味し、Segmentationは「分割」や「卵割」のみのようです。
英辞郎
次に、英辞郎で検索してみました。結果は以下の通りです。
Cleavage
【名】
1.裂くこと、切開、分割
2.〔物の〕裂け目、割れ目、亀裂
3.〔関係の〕食い違い、溝、亀裂
4.〔女性の胸の〕谷間◆胸がはだけた服装のためによく見えるものを指す。◆【同】breast cleavage
5.《鉱物》〔結晶の〕劈開◆ある方向の割れやすさの度合い。
6.《生物》〔受精卵の〕卵割◆胞胚(blastula)に至るまでの、受精卵(zygote)の分割。この時期の受精卵は細胞の数が増えるだけで大きくはならない。◆【同】segmentation
7.《化学》〔分子の〕開裂◆分子の共有結合が切れること。二つの電子が両方に分かれるものを均等開裂(homolysis)、二つの分子が片方に残るものを不均等開裂(heterolysis)という。◆
Segmentation
1.区分け、分割、区分
2.《生物》〔受精卵の〕卵割◆【同】cleavage
3.〔マーケティングの〕セグメンテーション、市場[顧客層]細分化◆
双方ともに似通った意味を持ちますが、弱冠の違いが見えてきました。Cleavageは、裂けていること、分割されていることがイメージのようで、SegmentationにはCleavageにはない「区分け」という意味が掲載されていることから、「分けられたもの」というイメージがあるのではないかと思われます。
画像検索
続いて画像検索をしてみました。
Cleavageは、「女性の谷間」の画像がずらっと並びました。一方Segmentationは、マーケティングに関する画像が並びました。
よく、「画像検索で上位に反映される画像は、その単語を聞いてネイティブが思い浮かべるイメージ」と言われますが、この説を汲むと、CleavageとSegmentationには、その意味に大きな違いがあると考えられます。
語源
ONLINE ETYMOLOGY DICTIONARYによると、それぞれの語源は以下の通りのようです。
Cleavage
1805, in geology and mineralogy, “tendency (of rocks or gems) to break cleanly along natural fissures,” from cleave (v.1) + -age. General meaning “action or state of cleaving or being cleft” is from 1867.
The sense of “cleft between a woman’s breasts in low-cut clothing” is first recorded 1946, defined in a “Time” magazine article [Aug. 5] as the “Johnston Office trade term for the shadowed depression dividing an actress’ bosom into two distinct sections;” traditionally first used in this sense by U.S. publicist Joseph I. Breen (1888-1965), head of the Production Code Administration (replaced 1945 by Eric Johnston), enforcers of Hollywood self-censorship, in reference to Jane Russell’s costumes and poses in “The Outlaw.”
1805年時では、地質学や鉱物学にて、「岩や宝石が自然の割れ目に沿って綺麗に割れる性質=cleave」と「状態を表す接尾語=-age」を合わせて使われていたそうです。
それが1867年より、一般的な意味である「裂けること、または裂けている動作や状態」として使われるようになったそうです。
そこからしばらくした後、1946年にある雑誌で「ローカットの服を着た女性の胸の谷間」として意味する用いられ方が初めて観測されたそうです。
Segmentation
1650s, “a cutting in small pieces;” 1851 of cells, from segment (v.) + -ation.
「Segmentation」は、「分割する・切ること=segment」と「活動-action」を合わせて作られました。
1650年代では、「小さく切ること」として、1851年では「細胞を小さく切ること」にも使われるようになったそうです。
例文で使い方を学ぼう
Merriam-Websterの例文では、以下のように紹介されています。
Cleavage
The dress is cut low enough to reveal a lot of cleavage.
the cleavage between the rich and poor
the cleavages of an egg as an embryo develops
Segmentation
the segmentation of the population
Merriam-Websterでは、最近ウェブ上で使われた例文の掲載もあるので、詳細をもっと知りたい方は、以下のリンクからご覧ください。
Cleavage:https://www.merriam-webster.com/dictionary/cleavage#examples
Segmentation:https://www.merriam-webster.com/dictionary/segmentation
まとめ
今回は「Cleavage」と「Segmentation」の違いについて調べてみました。
テキスト上では同じ意味として扱われていましたが、調べてみると随分と使われ方が異なる意味を持つということが判明しました。
簡潔にまとめると、以下の通りになります。
- CleavageもSegmentationも、「卵割」や「分裂」という意味をもつ
- Cleavageは「女性の胸の谷間」を意味する使用が多い
- Segmentationは「区分」や「区分け」の意味合いが強い
以上、今回調べたことから整理したまとめでした。
同じ疑問を抱えた方の参考に、少しでもなれば幸いです。