レビュー
「この誘い、断りたいけど嫌われたくないしな・・・」
行きたくない飲み会へ行き、悶々とした時間を過ごす。このような悩みを抱えたことはないでしょうか。
本書には、自身もかつて人間関係で様々な悩みを抱えた経験のある著者ならではの、悩みを解消する「話し方」を身につけるためのアイデアがまとめられています。
人間関係に悩みを抱えている人や、円滑に物事を運ぶコミュニケーション術を身につけたい方は必見です。
著者
藤由 達蔵(ふぢよし たつぞう)
株式会社Gonmatusdaihyou 取締役。夢実現応援家。
モットーは「ヒトには無限の可能性がある」。経営者から学生まで幅広い層の個人を対象に夢実現応援の対話(コーチング)を提供するとともに、企業に向けた研修や講演も提供。
1967年生まれ。1991年、早稲田大学第一文学部卒業後、プラス株式会社に入社。営業、企画、新規事業設立などに関わる。2009年。全プラス謄同組合中央執行委員長に就任。労働組合運動にコーチングを取り入れる。2013年9月、コーチとして独立。コ-チングを核として、各種心理技法や武術、瞑想等の経験を統合し夢実現応援対話技法を確立。2015年7月、『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』(青春出版社)の出版を機に、作家活動を開始。著者累計40万部突破。
2016年9月、株式会社Gonmatusを設立。夢実現応援事業、出版プロデュース、動画制作等の事業を展開。
本書の要点
1.言い方ですべてを変えられる 2.論理的言動で人を動かせる 3.アナウンサーのような話し方で、好感を与えられる
②幸せの原則は3つにまとめられる
1.自分のことが好き 2.他人は信頼できる 3.自分は誰かの役に立っている
③ハッキリ伝えても好かれる人には、7つの共通点がある
その本質は、みんなの幸せを願う「魂が悦ぶ」状態を願うことである
ポイント解説
友人や知り合いから、気乗りのしない誘いを受けたことはありませんか。その際、みなさんはどのように対応するでしょうか。大多数の方は、誘いの断りをためらってしまうのではないでしょうか。
そして、
相手にどう思われるか、そんなことを言ったら嫌われるのではないかと悶々として、悩みの渦にはまってしまうときもあります。
こういった悩みは、友人関係のみにとどまらず、仕事や家庭でも起こりえます。
では、いったいどのように対応をすればよいのでしょうか。
それは、多くの人が抱いている、話し方の3つの誤解を解くことから始まります。
【誤解1】「ものの言い方」を変えれば、すべてうまくいく!
「ものの言い方」はとても重要です。例えば、何か嫌いな食べ物を目の前にした時に、直接的に「嫌い」というよりも、「好きではない」と間接的に言った方が、やわらかい印象を与えることができます。
しかし、だからといって、ものの言い方だけを変えただけではいけません。例えば、いくらやわらかい表現を使っていたとしても、表情が硬かったり、態度が悪かったりすれば、それではやわらかな印象を残すことはできません。
「ものの言い方」だけを変えるだけではなく、言い方以外にもしっかりと気を配る必要があるということです。
【誤解2】「論理的」であれば相手は動く
「説得力のある話をするためには、論理性が大事だ。」
そんな話を聴いたことはないでしょうか。確かに、論理性は話に説得力をもたせるため必要かもしれません。しかし、論理的であるからと言って、必ず人が動くわけではありません。
時には、まったく論理的ではなくとも、また、根拠がなくても人が動く場合があるのです。
言っていることはハチャメチャだけれど、なぜだか説得力がある人が、あなたの周りにもいませんか。
論理的であるだけでなく、感情的にも受け入れてもらえなければ、人に動いてもらうことはできないのです。
【誤解3】「アナウンサー」のような話し方が、相手に好感を与える
話の上手そうな職業は何か。いくつか浮かんだ職業の中に、おそらくアナウンサーが入っているかと思います。
活舌がよく、耳にしっかりと届くその声は、たしかに心地よい響きを与えてくれます。しかし、だからと言ってアナウンサーのような話し方が、必ずしも相手に好感を与える話し方であるとは限りません。活舌が悪く、ぼそぼそとした話し方の人でも、周囲から好感を抱かれている人はいくらでもいます。
アナウンサーのような話し方は、確かに魅力的ですが、それだけでは好感を与えることはできない、ということは肝に銘じておくべきでしょう。
本書のテーマである、「なぜか好かれる話し方」を身につけるためには、相手も自分もいい気分になる話し方を意識することが必要です。では一体、いい気分になるとはどういうことか。考え出すと、答えに困窮してしまいますが、著者はこのように述べています。
シンプルに考えましょう。ともに幸せへと近づいていけるように言葉を繰り出していけばいいのだと考えれば間違いありません。
ここでまた、疑問がわきます。
幸せの定義は、一人ひとり異なるのではないか、と。
心配は不要です。幸せの具体的な形は一人ひとり違っていても、幸せの原則は次の三つです。
1.自分のことが好き
2.他人は信頼できる
3.自分は誰かの役に立っている
人は誰しも、少なからず自分のことを好きでいたいという願望があります。また、他人を信頼できると感じたいという願望があります。そして、自分の存在が、誰かの役に立っていたいという願望があります。これらの願望が叶っているとき、誰もが幸せを感じられるのです。
ハッキリ伝えても好かれる人には、7つの共通点があります。
ハッキリ伝えても好かれる人の7つの共通点
[共通点1] なりきるのがうまい!
本当は明るくなくても「明るい人」を演じ切り、感情・思考・言葉・行動を一致させるのがうまい
[共通点2] 相手の話をきちんと聞ける
会話のキャッチボールは、受け捕ることができて初めて成り立つ。相手の言葉をきちんと受け止め、また相手に言葉が届くようにする。
[共通点3] ユーモアがある
感情と論理で成り立つ会話は、ビジネスの世界では論理が先行し、息苦しくなってしまう。そのような空気において、ユーモアで一息をつかせてくれる人ははっきりと伝えても好かれる。
[共通点4] 共感の言葉を多用する
会話する相手との共通課題を探り、共通の感情を言葉に乗せ、関係を作る。
[共通点5] 真に受けずに受け流せる
枝葉末節と本質とを分けて考え、相手が何を伝えようとしているのかを考えることができる。
[共通点6] 建設的に考えることができる
後ろ向きではなく、前向きに話を進めていく。よくない状況からも、何かしらの良い部分を掬い、前向きに話を進めることができる。
[共通点7] 相手と自分の幸せを考えている
」自身の幸せの身を願うのではなく、会話相手の幸せを願い、またその他多くの人々の幸せを願う。著者はこの「すべての人が幸せを感じ、喜んでいる状態」を「魂が悦ぶ」と呼ぶ。
各共通点は、それぞれ別々のことについて言及しているようですが、その本質は、みんなの幸せを願う「魂が悦ぶ1)著者は「すべての人がが幸せを感じ、喜んでいる状態」と定義しています。」状態を願うことに集約されます。
ハッキリ伝えても好かれる人は、そのような究極の目的に意識を向けているから、ハッキリ伝えても好かれるのです。
相手の幸せだけでなく、自身の幸せを願う。ハッキリ伝えても好かれる人とは、幸せを意識しているからこそ、ハッキリ伝えても好感を抱かれやすいのです。
こんな人は必見!
人間関係に悩みを抱えている方
人からの誘いを、断りたくても断れない方
おわりに
要約では、本書の概要をざっくりとご紹介させていただきました。本書では、要約でご紹介させていただいた内容以外にも、人間関係に関する数多くの学びを得ることができます。また、著者の体験より展開されるたとえ話は、どれもが分かりやすく情景が目の前に浮かぶようで、本の内容がすーっと頭に入ってきます。
もし、あなたが人間関係に悩んでおり、少しでもよりよい生活を送りたいと考えていらっしゃるのならば、ぜひ本書をご一読ください。必ずや、よりよい明日へとつながる学びを得ることができます。
参考
2018年の第1弾!『「言いにくいこと」をハッキリ伝えても、なぜか好かれる話し方』(PHP研究所)発売!
<連載>藤由達藏 「言いにくいこと」をハッキリ伝えても、なぜか好かれる話し方
脚注
↑1 | 著者は「すべての人がが幸せを感じ、喜んでいる状態」と定義しています。 |
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