「一流の人に学ぶ 自分の磨き方」 ー 自己研鑽がわかる一冊

GINJI
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こんにちは。GINJIです。

レビュー

 長年、一流を研究し続けた著者。一流の人と二流の人との違いを、対比によって分かりやすく伝えています。一見、当たり前のように思えるものもありますが、その当たり前が実際にできている方は一体どれほどいるでしょうか。ビジネスの場で活躍されている著者の書ですが、内容はビジネスの場で一流になるためだけでなく、人間として一流になるためにどうするべきかを考えさせられます。

 「信念」「勇気」「努力」「情熱」「成長」「規律」「学習」「感謝」「謙虚」「正義」「忍耐」「寛容」の12のテーマで扱われる教えの数々からは、必ずや心に響く学びを得ることができるでしょう。「学びを得られても、どうやって行動すれば分からない」という方もいるでしょう。しかし、各教えを実行するために、著者からの実行提案が設けられています。何をしたらいいか分からない方は、その提案を実行してみることから始めれば、後々必ず大きな成果をあげることができるようになるでしょう。

 一流と聞くと、「少し大げさだ。」とか、「自分は一流にならなくてもいい。」そう考える方も少なくないかもしれません。しかし、そのような方こそ、著者の定義する一流を知っていただきたいです。一流とは何か。という考えが、きっと変わるはずです。

 一流とは何か。そして一流になるためには何をするべきか。社会人はもちろん、これから社会に出る学生にもおすすめしたい一冊です。

 

著者 & 訳者 

(著)スティーブン・シーボルド(Steven Siebold)

 アメリカの経営コンサルタント。コンサルティング会社ゴーブ・シーボルド・グループ代表。学生時代に一流の人の研究を開始し、20年後に成果を発表して注目を集める。現在、能力開発の第一人者として世界の優良企業で社員研修を担当し、大勢の人材を育成する。主なクライアントはトヨタ自動車、ボルボ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、プロクター・アンド・ギャンブル、グラクソ・スミスクライン。セミナーは常に絶大な人気を博し、世界の後援者の収入上位1%に入る。米ABC、英BBC、豪NBCなどのトーク番組に出演して成功の秘訣を伝授する。私生活では慈善活動に積極的に関わり、社会的弱者の救済に尽力する。(本データは、2014年6月18日第23刷発行に掲載されていたものです)『一流の人に学ぶ 自分の磨き方』より

(訳)弓場 隆

 翻訳家。訳書多数。主な訳書に、『後悔しない生き方』『成功を目指す人に知っておいてほしいこと』『心の持ち方』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティ―ワン)、『希望をはこぶ人』(ダイヤモンド社)がある。(本データは、2014年6月18日第23刷発行に掲載されていたものです)『一流の人に学ぶ 自分の磨き方』より

本書の要点

1
「一流の人と二流の人の違いは紙一重だ」1)著者は「一流の人」と「二流の人」の区分について、決して差別しているわけではなく、結果をもとに便宜上区分をしていると説明しています。 
 普通の知能と才能の持ち主でも、一流のレベルに達することができる

2
「一流の人になる秘訣は簡単に実行できる」
 一流の人になると強く決心し、一流の人の思考、哲学、習慣を真似る

3
「富める者は富み、貧しい者はますます貧しくなる」
 不断の努力こそが、一流を一流たらしめる

 

ポイント解説

「一流の人と二流の人の違いは紙一重だ」

 本著の著者であるスティーブン・シーボルドは、冒頭でこう述べています。

「もしかすると、あなたはこんな風に思っていないだろうか。」
一流の人は知能がずば抜けて高く、並外れた才能に恵まれているから、自分のような凡人が一流の人になれるはずがない、と。
だが、それはまったくの誤解である。一流の人と二流の人の差は紙一重なのだ。

 一流は生まれながらに一流であると、凡人とは根本的に異なる生き物であると、考えてしまいがちです。しかし実際のところ、一流と二流には大きな違いはありません。

 けれども、大多数の人は初めの一歩を踏み出しません。夢を実現する能力を持っているのに、挑戦すらしようとしないのです。

 それは、なぜでしょうか。

その理由は、やる気がないからではなく、出来ると思っていないからである。
挑戦に失望は付き物だから、それを乗り越えなければならない。
しかし、ほとんどの人はそんなつらい思いをするくらいなら、テレビを見たり娯楽に興じたりする方が快適だと考える。だから挑戦せずに漫然と過ごしている。

 誰だって、失望はしたくありません。しかし、だからと言って挑戦をしなければ、何も変わらぬ日々を過ごすだけです。現実から目を背けずに、自分を信じて、成功へと邁進する。そんなこと、誰にでもできるのでしょうか。答えは「イエス」です。

自分にポジティブに語り掛けて、物事を成し遂げている姿を鮮明に思い描くなら、現状に関係なく、誰でも自分への期待を高め、成功へと邁進することができる。

 そうした努力を重ねることで、いったん一流の境界を越えてしまえば、その後ははるかに快適に過ごすことができるのです。

 

「一流の人になる秘訣は簡単に実行できる」

 本著では、理論的なことではなく、あくまで実用的な思考、習慣、哲学が論じられています。そして、そのどれもが、成功を大きく後押しする力を秘めています。

 そして幸いなことに、

一流の人の成功の秘訣は、手軽に学んで簡単に実行することができる。

のだそうです。一つ一つは、当たり前のようなことかもしれません。例えば、第3章「努力」で語られる秘訣の中には、「努力を怠らない」ことや「ひたむきに努力する」ことなどがあります。これだけ聞くと、本当に成功への道を歩むことができるのかと疑問に思う方もいるでしょう。

 しかし、そのような小さな積み重ねが寄せ集まることで、やがて決定的な違いがもたらされます。成功者はみな、このような積み重ねによって精神的に強くなります。そして、大きな夢を実現し、豊かな人生を手にします。

 では、どうすれば一流のレベルに達することができるのでしょうか。著者はこのように説きます。

まず、一流の人になると強く決意することだ。そして筆記具を片手に、どこからでもこの本を読んで一流の人の思考、哲学、習慣を真似てみよう。そうやって心の持ち方を少しずつ変えていけば、必ず大きな成果をあげることができる。

 千里の道も一歩からという言葉があります。目標を確かに、一歩を踏み出す。その瞬間、あなたはもう、一流への道を歩み始めているのです。

 

「富める者は富み、貧しい者はますます貧しくなる」

 なぜ、一部の人だけが成功しているのか。20年前の若きスティーブンは、疑問に思っていました。成功している理由は、知識が高いからだろうか。それとも、学歴があるからだろうか。はたまた、才能に恵まれていたからか。そのどれもが「ノー」です。20年後のいま、彼はその答えを導き出しています。

わずかな人だけが成功を収める理由は、精神的に強いからだ。辛抱強く努力を積み重ね、思考と感情、および人生に対する姿勢をコントロールする方法を学んで充実した人生を送るのだ。

 成功するためには、はじめから特別な知識や才能を持っている必要はない。能力開発と自己改造のために努力をするならば、誰もが同じように成功を収めることができるのです。

 そして著者は、一流の人は絶えず自分を磨くために時間を投資していることを説いた上で、書店でのたとえ話を展開しています。

書店にビジネス書と自己啓発書がたくさん並んでいるのを見て、「誰がこんな本を読むのか」と疑問に思ったことはないだろうか。その主な読者層は一流の人たちだ。

皮肉なことに、ビジネス書と自己啓発書を読む必要のある人たちは、それらの本に見向きもしない。逆に、もうそれらの本を読む必要のない人たちが、熱心に読みふける。

 一流は、ますます一流への道を歩む。そうでない者は、より一層一流から遠ざかっていく。まさに、「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」のです。

 

こんな人は必見!

 一流になりたいが、何をしたらいいか足踏みをしている方

 一流にはならなくてもよいが、人生を好転させたい方

 本稿を読んで少しでも気になった方

脚注

脚注
1 著者は「一流の人」と「二流の人」の区分について、決して差別しているわけではなく、結果をもとに便宜上区分をしていると説明しています。
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